マスキングテープの上に絶妙なバランスで目薬の容器が立っているように見えますが、これを横から見ると…
こうなっています。マスキングテープはiPhoneの画面に表示された写真で、しかも極端に縦長になっていました。でも、特別なある一点から見ると、自然な立体感が得られるように作ってあるのです。
こういったトリックアートの一種(anamorphic illusion)をiPhoneの画面で表現するのはそれほど難しくありません。
このトリックアートを作るのに必要な物は、
- iPhone (スマートフォン)
- iPhoneとは別のカメラ
- 画像編集ソフト
- 被写体になる小物
の四つです。
【STEP 1】被写体の例として目薬の容器を選びました。これをiPhoneの上に置いて、カメラで撮影します。ここで重要なのは、iPhoneの画面(上の写真では紫色の線で強調)から被写体の小物がはみ出さないような構図を工夫することです。
「はみ出さない」というのは、iPhoneの上に乗っているかどうか、ではありません。写真を撮ったときの見た目の問題、構図の問題です。例えば、上の例でカメラを少し下げて撮影すると、目薬容器の上の端が紫の枠から上に飛び出した写真になってしまいます。そういうのはダメ、というのが「はみ出さない」の意味です。
【STEP 2】撮影した写真を編集ソフトで読み込みます。私はAffinity Photoを使っていますが、Photoshopを使っている人が多数派でしょうか。
【STEP 3】撮影した写真を、iPhoneの画面サイズと同じ縦横比にトリミングしましょう。私の場合はiPhone7なので750:1334の比率にしました。大事なのは写真の中のiPhoneの画面だけなので、背景は適当に切り取ってしまって構いません。
【STEP 4】写真編集アプリの歪曲機能を使いましょう。写真の中のiPhoneの画面の四隅を引っ張って引き延ばし、写真全体の四隅に一致させます。Affinity Photoではパースペクティブフィルターが使えますが、Photoshopなどの他のソフトウェアにも似たような変形機能があると思います。
【STEP 5】iPhoneの画面の四隅を写真全体の四隅に一致させたので、写っているのは画面の部分だけになりました。そして、目薬が奇妙に歪んだ状態になっています。これでトリック用の画像は完成です。この画像をiPhoneの画面に表示しましょう。iPhoneの画面だけが写った写真を、iPhoneの画面に目一杯大きく表示するわけです。
【STEP 6】最初のステップと同じ構図でiPhoneを撮影しました。左側にある目薬の容器は実物です。
【STEP 7】別の角度から見ると、実物との違いは明らかです。肉眼で鑑賞するときは片目で観察するのがお勧めです。