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平均顔の作り方 (2) モーフィングでもっと綺麗な平均顔を作る
平均顔 | comments(0)

この記事では、モーフィングソフトウェア(アプリ)で平均顔を作る方法を大まかに説明しています。もし、原理的な事は後回しにして、まずは実際に作ってみたい、という方は、別の記事「基本的な作業の流れ」を参照してください。iPhone/iPad用アプリ平均顔合成ツールの使い方ガイドなのですが、その他の一般的なモーフィングソフトウェアの使い方のイメージを掴むこともできると思います。


平均顔の作り方 (1) で見たように、重ね合わせ法で作った平均顔は、原理的な問題でどうしてもぼやけた仕上がりになってしまいます。
ここで紹介する「モーフィング」という方法で作る平均顔も、ぼやけた仕上がりになることは同じなのですが、重ね合わせ法に比べれば、圧倒的にぼやけ具合が少ない作品を作ることができます。しかも、モーフィングによって作成される平均顔は、重ね合わせ法のときのような「平均顔っぽいもの」ではなく、本当の意味での平均顔なのです。
 
[重ね合わせ法で作った女性20名の平均顔]
 
[同じ20名をモーフィングで平均化した作例]

モーフィングはmorphingの事で、画像を変形させる技術のことです。アイドルグループの平均顔の作例(AKB48の平均顔など)をネット上ではよく見かけますが、そういったものの多くはモーフィングによって作られていると思われます。
モーフィングを行う際は、顔の上にマーカーを配置していくことになります。下の図は、平均顔合成ツールでのマーカー配置例です。
[iPhone/iPad用アプリ平均顔合成ツールでのマーカー配置例]
 
このマーカーによって、モーフィング用ソフトウェア(アプリ)に、右目の位置はここ、顎の先端はここ、鼻の下端はここ、といったように、顔の構造を教えてやります。ただし、全自動でマーカーを配置することは難しいので、普通は手動でマーカーの位置を微調整することになります。非常に面倒な作業ですが、この作業を平均化する全ての顔に対して行います。
モーフィング用ソフトウェアは、それぞれの顔の上に配置されたマーカーの位置(座標)から、平均化の顔構造を計算します。そして、そのような平均の顔構造に合うように、全ての顔を変形します。その結果、顔の黒目の中心であるとか、唇の幅、鼻の先端の位置などが、素材として使った全ての顔の間でぴったりと揃うことになるのです。
 
その後でやることは、重ね合わせ法の場合と同じで、それぞれの顔画像を半透明にして足し合わせます。ただし、全ての顔が、平均の顔構造に揃えてあるので、ぼやけ具合の少ない綺麗な平均顔に仕上がるというわけです。
なお、ここでは「マーカー」という言葉を使いましたが、他にも「特徴点」、「対応点」、「ランドマーク」など様々な呼び名があります。
ところで、モーフィング用ソフトウェアは、平均顔を作るためだけのものではありません。ある顔が、別の顔へと徐々に変化していく動画を作ることが本来の目的です。ホラー映画などで、美女の顔が恐ろしいモンスターの顔に変形していく場面を見たことがあると思いますが、ああいった場面はモーフィングの技術を利用して作られている可能性があります。
更に言うと、モーフィングは「ある画像」を「別の画像」へ変形させるための技術なので、顔だけを扱うわけではありません。
 
[左手から右手へのモーフィング]
 
例えば上の作例は、私の左手が右手へと変形していく様子をモーフィングで表現したものです。最初と最後の写真だけが実際にカメラで撮影したもので、中間の3枚はモーフィングによって生成された合成画像です。この例では5段階で終わっていますが、これをもっと細かいステップで変化させて、できあがった画像を動画として表示すれば、私の手がぐにゃーっと変化していく様子を見ることができます。岩明均著「寄生獣」が実写化されたら、そんな映像を見ることになるのかもしれません。
このように、汎用のモーフィングソフトは顔だけを扱うものではありませんから、マーカーの数を自由に設定できるのが普通です。できるだけたくさんのマーカーを使えば、より美しい変形を行うことができますが、その分手間が掛かることになります。
さて、平均顔を作るという観点からは、上の作例の様な連続変形画像は必要ありません。変形の中間点だけが必要になります。変形の中間点というのは、最初の画像の成分が50%見えていて、変形しきった最後の画像の成分が50%見えている状態です。すなわち、最初と最後の2枚の画像の平均画像になっているのです。
 
例えば下にある作例は、幼児の顔が人形の顔へと変形していくモーフィングの例です。この中間点(3枚目の画像)は、この幼児と人形の平均画像、すなわち平均顔になっています。
[幼児から人形へのモーフィング]
 
平均顔合成ツールでは、最初から変形率50%の状態の画像しか作らないようになっています。しかし、汎用のモーフィングソフトを使う場合には、中間点の画像を抽出するための設定・作業が必要となります。
 
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