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平均顔の作り方 (3) 9人の平均顔を作る
平均顔 | comments(0)
 『平均顔の作り方 (2) モーフィングでもっと綺麗な平均顔を作るでは、モーフィングという画像変形技術を使う事で、二つの顔の平均顔が作れることを解説しました。ある顔から別の顔へと変形していく丁度中間の状態が、二つの顔の平均顔になっていることを利用するわけです。
 では、二つの顔の平均顔ではなく、もっとたくさんの顔の平均顔を作りたい場合はどうしたらよいのでしょうか?例えば、9人組のアイドルグループのメンバー全員の顔で平均顔を作りたかったら?

 もし、平均顔合成ツールを使っているのであれば、何も考えずに顔をどんどん追加していけば良いだけです。9人組だろうが10人組だろうが何の違いもありません。
 しかし、汎用のモーフィングソフトウェア(アプリ)で9人の平均顔を作ろうとすると、ちょっとだけ頭を使う必要が出てきます。
 
Average face of SNSD
[9人組アイドルグループの平均顔]
 
では、9人のメンバーをそれぞれA, B, C, D, E, F, G, H, Iで表すことにします。
 
汎用のモーフィングソフト(アプリ)は、二つの画像の間で合成を行うようになっているので、いきなり9人を混ぜ合わせることはできません。ですから、2人ずつ順を追って合成していきます。

まず、AとBの平均顔 (A+B)を作ります。この平均顔 (A+B)を保存。
次に、CとDの平均顔 (C+D)を作ります。(C+D)も保存します。
 
この段階で、二つの平均顔画像 (A+B)と(C+D)が手に入りましたので、この二つの画像の間で平均顔を作ります。
AとB二人の平均顔(A+B)と、 CとD二人の平均顔(C+D)…のそのまた平均顔は、実はA, B, C, D四人の平均顔 (A+B+C+D)と同じなのです。

 全く同じ手順で EとFの平均顔(E+F)を作り、GとHの平均顔(G+H)を作ったら、その二つの平均顔の平均顔を作れば、E, F, G, Hの平均顔(E+F+G+H)が手に入ります。
更に、四人の平均顔(A+B+C+D)と、四人の平均顔(E+F+G+H)の間で平均顔を作ると、それはAからHまでの八人の平均顔を作ったのと同じ事になります。
 
こんな手順を繰り返して、二つの顔画像の平均顔を組み合わせていけば、たくさんの顔の平均顔を作っていくことができます。
 
ただし、ここでちょっと困ってしまいます。
9人目のメンバーIは、どうやって付け加えたら良いのでしょう?
実は、この方法で平均顔を作っていくと、平均化できる顔の数は、2, 4, 8, 16, 32, 64...といった数に限られてしまいます(2のn乗個の顔)。
だから、3人組アイドルグループ、5人組アイドルグループ、9人組アイドルグループの平均顔を作りたい、という場合には困ってしまうのですね。
 
Average face of 1d
[5人の平均顔]
 
9人目のメンバーIを含めた平均顔を作る場合は、8人の平均顔とIの顔写真との間でモーフィングを行います。
ただし、今までの様に変形の中間点である50%のところの画像を使うのではありません。9人目のメンバーIが、最終的な平均顔に与える影響度は1/9になるはずですね。ですから、8人の平均顔からIの顔写真への変形が11.1%のところの画像を取り出せば良いのです。100%の1/9は11.1%です。逆に、9人目のメンバーIから8人の平均顔へと変化するモーフィングを行う場合は、変化率が8/9の88.9%の所の画像を抽出してください。
 
もし、こういった補正をやらないで、8人の平均顔とメンバーIの平均顔の中間、50%のところの画像を採用したとします。すると、メンバーIの雰囲気がとても強い顔ができあがってしまいます。それはなぜでしょうか?
8人の平均顔は、8人がバランス良く混ざっていますから、それぞれの影響度は1/8になっています。
 
8人の平均顔=(A/8 + B/8 + C/8 + D/8 + E/8 + F/8 + G/8 + H/8)

これをメンバーIと普通に平均化してしまうと、
 
(8人の平均顔 + I)/2

を作ることになりますから
 
A/16 + B/16 + C/16 + D/16 + E/16 + F/16 + G/16 + H/16 +  I/2

という顔ができあがります。
 
9人目のメンバーIの特徴が全体の半分 (50%)を占めていて、他のメンバーの特徴はそれぞれ1/16(6.25%)しか含まれないことになります。
だから、補正無しの平均顔には、メンバーIの雰囲気が非常に強く現れてしまうのです。
 
ちなみに、5人組アイドルグループの場合は、4人の平均顔をまず作って、その4人の平均顔から5人目のメンバーの顔へのモーフィングを行います。この場合、5人目のメンバーの影響度が1/5になるように、変形率が20% (= 100/5)のところの画像を取り出します。

 ネットでよく見かける「◯◯の平均顔を作ってみた」といった動画は、顔を2つずつ組み合わせながら合成していって、徐々に合成結果が変化していく様子を見せています。それはそれで面白いのですが、人数が2,4,8,16,32…になっていない場合、上に書いたような面倒な調整をしないと、最後に追加したメンバーの特徴が極端に強くなってしまっているはずです。果たしてそういった調整をちゃんとやっていますかどうか?
 
平均顔合成ツールでは細かい調整をアプリが自動的にやっていますので、何も考えずに好きなだけ顔を追加していくことができます。
 
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