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わかりやすい顔が好き:今日の平均顔 (66)
今日の平均顔 | comments(0)
平均顔 average face


平均顔を合成すると、魅力度がそこそこ高い顔になるのは何故か?「良き遺伝子仮説」による説明は有名だが、脳内での情報処理効率に着目した説明もある。

顔に限らず、典型的な事物は、脳内で効率的に処理されることがわかっている。例えば魚だったら、多くの日本人はフナに似た体型の魚を思い浮かべるのではなかろうか。幼児に「おちゃかな」を描かせると、やはりフナに似た物を描くことが多い。日本人にとっての魚の典型である。だから、フナ型の魚を見た日本人は、その魚の特徴などを、ぱっと見て素早く判断することができる。しかしこれが、南米に住むロリカリア科の魚のように、多くの日本人にとって非典型的な魚となると、フナに比べ、脳内での処理効率は低下すると考えられる。

一方、人間の脳は、どうやら面倒な事が嫌いなようで、楽に判断できる物、楽に理解できる物を好む傾向があるという。言い換えると、効率的に処理できる事物を好むのである。

これらの二つの知見をつなぎ合わせると、典型的な事物は、効率的に処理されるが故に、面倒を嫌う人間の脳に好まれる、という理屈ができあがる。

さて、人間の脳にとっての典型的な顔(prototypical face)がどのようなものであるのかについては議論の余地がいろいろとありそうであるが、平均顔はその有力候補である。平均顔を合成するときに使う顔が多ければ多いほど、平均性が高まり、同時に典型性も高まっていくと考えられる。そして、そういった典型性の高い顔は、脳内で効率的に処理されるはずである。実際、顔の特徴の判断が、平均性の高い顔ほど素早くできた、という報告がある。

であるから、平均顔は、典型的な顔であるが故に脳内で効率的に処理され、面倒なことを嫌う人間の脳に好まれるのだ、という理屈ができあがるのである。

そして、こういった処理効率に基づく説明であれば、平均顔だけでなく、平均魚や平均車が魅力的に感じられる理由も含めて説明することができる。しかし「良き遺伝子仮説」では、自分にとっての繁殖のパートナーとなり得る対象、要するに(人間の)異性の魅力を評価する場合に説明範囲が限定されるわけだ。
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