blogTitle.png
p < .05 公式ブログ
世界制覇の企てを定義する
アンノッティングの考察 | comments(0)


世界制覇という言葉は実に多義的である。多くの人が様々な意味で「世界を制覇した」と主張したり、あるいはそのことを論じたりできる。ここでは、そういった無数の定義の中から、移動履歴の完全化としての世界制覇について考えてみたい。

移動履歴の完全化とは要するに、「全ての場所に行った」ということである。世界中の全ての場所を経巡り歩くことができれば、世界制覇が成ったことになる。

世界全体ではなく、日本のみ、静岡のみ、琵琶湖のみ、といった特定の領域に話を限定したとしても、同じ方法で「制覇」を定義することができる。更に話を限定して、特定領域の周縁部だけを考えることにするならば、「日本一周」とか「琵琶湖一周」といった形で「制覇」が定義されることになる。




ネット上で検索すると、どこそこを制覇したという主旨のブログ記事であったりツイートであったりを見つけることができるが、そこで述べられている「制覇」も、移動履歴の完全化として解釈できるものが散見される。

しかし、「全ての場所に行ったら制覇」という定義には、はっきりとしないところがある。そもそも「全ての場所に行く」とは何を意味するのだろうか?例えば、全ての国の首都を訪れたら、それは世界中の全ての場所に行ったことになるであろうか?都道府県庁47箇所を訪れて記念写真を撮ったなら、日本中に行ったことになるであろうか?

ゴルディアスの結び目(Unknotting)は、そういった曖昧さを排除した「制覇」の一つの定義として考案された遊びである。

自分がある場所に到達したことを、曖昧さ無く宣言するためには、そのことを実測データに基づいて示すべきである。そのための手段として、iOSデバイスが持つGPS(位置情報サービス)を利用することとした。自分がある場所を訪れたという事実を、その場所の座標(緯度と経度)を現地で取得することによって証明するのである。




測定される座標は地球上の一点を表すわけであるが、空間が連続的なものであることを考えると、そのような点は無限に存在することになり、それらを「制覇」することは不可能である。

そこで、1/60度おきの緯線と経線の交点、すなわちノットのみを「制覇」の対象とすることにし、本来連続的なこの世界を、離散的な点の集合体へと簡略化した。その結果として、対象となる場所は、無限箇所から、わずか233,258,402箇所へと劇的に減ることになる。

ゴルディアスの結び目(Unknotting)では、このような簡略化された世界を対象とするが、特定の地域のみに遊びの舞台を限定したわけではなく、依然として全世界を対象としている。そして、無限箇所の点を「制覇」することは不可能であるが、有限の点の全てを訪れる=「制覇」することは、理屈の上では可能なのである。

このようにして、ゴルディアスの結び目(Unknotting)は、「世界制覇」の一つの形を曖昧さ無く定義している。




コメント