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自転車のスペックによるMETsの補正
Bucephalas Users' Guide | comments(0)

機能の概要

身体活動強度METsの推定値を、自転車によって変える事ができます。そのための係数を導入しました。

推定されるMETsは、国立健康・栄養研究所が公開している改訂版 『身体活動のメッツ(METs)表』の値にこの係数を掛けたものとなります。

係数のデフォルト値は1.0です。極小径車など、スピードを出す際に大きな身体活動量を要する自転車の場合には、係数の値を1.0よりも大きくし、効率的にスピードを出せる自転車の場合には1.0よりも小さな値に設定することで、実際の身体活動量をより正確に推定できます。

 

この係数を設定するUIは、セッション概要ビューの自転車情報セクションにあります。

登録済みの自転車名の下にあるMETs換算係数フィールドに値を入力して下さい。

 

 

Bucephalasによる身体活動強度推定の問題点

Bucephalasは自転車で移動した際のMETsを、主に速度から推定しています。その際参考にしているのは、国立健康・栄養研究所が公開している改訂版 『身体活動のメッツ(METs)表』です。またこの表は別の文献 (https://sites.google.com/site/compendiumofphysicalactivities/Activity-Categories/bicycling)に基づいています(実質的に、この文献を翻訳した物だと思われます)。

 

どちらの文献にも自転車の詳細がないため、この表にあるMETsをそのまま自分の自転車に当てはめて良いのかがわかりません。この曖昧さが、Bucephalasが身体活動強度推定を行う上での大きな問題点となっています。

 

標準機体を仮定する

METs表で(特に指定がない場合に)想定しているであろう自転車を標準機体と呼ぶことにします。

METs表を一般に公開する狙いが、健康増進のために広く社会に活用されることだとすれば、普及型の一般的な自転車を標準機体としている可能性があります。


ただし、普及型の一般的な自転車についてのコンセンサスがあるとは言えません。また、METs表の出典となっている研究は欧米諸国で行われたものであり、日本と諸外国で標準機体の平均的仕様が大きく異なっている可能性もあります。

 

従って、METs表の活用にあたっては、それが標準機体についての仮定を含む曖昧なものにすぎないと認識すべきでしょう。

 

GD値による補正

標準機体が、タイヤサイズ26インチ程度の軽快車(ママチャリ)であると仮定します。

下記ウェブサイトを参考に、標準機体がペダル一漕ぎで進む距離(GD値)を求めました。

 

26インチ軽快車のGD値は470cmとあります。

 

これに対し、Pacific キャリーミーのGD値は387cmです。470/387 = 1.2 となりますので、キャリーミーで26インチ軽快車と同じ速度を出すには、ペダルを1.2倍回転させる必要があることになります。これを単純に、1.2倍の身体活動量が必要であると解釈することにすれば、Pacific キャリーミーに対する係数の値は1.2となります。

 

6段変速のブロンプトンではGD値が264cm - 792cmで、同様のロジックで係数を求めることにすると、1.8から0.6の範囲の値となります。仮に、外装トップ、内装ミドルの状態で乗ることが多いとすれば、GD値は507cmなので、係数の値は0.9となります。

 

ストライダ (5.0?) ではGD値は410cmなので、係数は470/410 = 1.1 となります。

 

繰り返しになりますが、これらの係数は、標準機体の仮定に大きく依存していることになります。ハリウッド映画などでよく見かける街乗り自転車は、日本で普及している軽快車よりもスポーティーなものが多い、というのは私の個人的な印象に過ぎませんが、この印象が正しいとすれば、標準機体の仮定は、そういったスポーティーな自転車にすべきなのかもしれません。